生活衝百科2

ラッパー東京未開封( Smash Egg Records)(EX ZIGOKU-RECORD)が人生というクイズに挑戦します!!!正解したら褒めてくれ。

79話 暴徒達の海岸⑥欲望

望に町を案内される未開封。相変わらずぼんやりした様子だが、楽しそうでもある未開封。デパートの屋上で、未開封は、ピッコリに黙って渡された一万円を使い、望にソフトクリームをおごる。デパートの金網に手をかけながら「よくエースともこうしてたなァ…」とつぶやく。「海が臭えや…」ひくつく未開封の鼻。


「未開封さんはなにしてるんですか?」
「大学生…4年…」
望は、思い切って未開封に進路で悩んでることを話す。「友達と同じ高校に行きたいんです…」しかし、未開封はうんうんとつぶやくだけだった。(てきとーだなこの人…)


斜面でダンボールで草スキーをする子供達を見る二人。「オレ、昔この町に住んでて、最近引っ越してきたんです」「ああ、ここ俺ん家の近所に似とるわ」まったく望の話を聞いていない未開封。

次に未開封たちは、望の下宿先である双林寺という寺に向かう。そこにある双子塚の前で望はこの塚にまつわる伝説の話をする。双子の女を好きになった男がどちらも選べずにいたため、双子が小鳥になったという話。しかし未開封は「どーりでこれ、金玉ににてるしなぁ」とやはり適当な相槌。風に騒ぐ竹やぶ。


「未開封さんは、好きな人とかいないんですか…?」しばらく黙った後、「いねーよ。…女なんてまぁ、穴だべ。穴」と返す未開封。「穴?」「きもちー穴よ」「…」「あ、今のスヌープドッグね」「…すぬーぷ?」


そこに望の叔母である雅が、足に包帯を巻いたヤギのビリーを抱いた双子の娘をつれてやってくる。「穴が3つ…いや9つ?」未開封を見てあきらかにおびえるビリー。「ビリー、そこの坂で変な人にいじめられたの!」と言う「そうか、ひでぇ奴がいるもんだな!」と、自分がやったのにうまいことごまかす未開封。


ごちそうしてくれるという雅に調子よくついていく未開封。「あの、穴って…」「しつこいよお前」「え…」


お堂でお茶を飲みながら、雅の娘達の描いた絵を見る未開封。「いいね、アグレッシブだ」「あぐれっしぶって?」「俺みたいな奴のことだよ」


竹林を進む二人。「なんか暑くね?まだ冬だぜ?」未開封の言葉に答えない私服に着替えた望。「シカトとか、まじやめてよ」二人は、町が一望できる崖にたどり着く。そんな二人の背中に女の声が届いた。「やっぱりここにいたのか」


振り向いた二人の前に、一人の少女の姿があった。望と知り合いだと言う沙羅に目を細める未開封。「さすが、女は穴って豪語するだけあるなぁ」「それ、スヌープさん…!」


「お前、やっぱり双樹の事をそんな風に!」顔を真っ赤にして怒り、最低だとはき捨てて、手にしたはがきを叩きつける沙羅。そのまま背を向けてどこかへ行ってしまう。


「冗談だって…なぁ?」「未開封さん!」と本気で怒鳴る望。二人の足元に落ちたはがきには市民ホールで開かれる小さな展示会の案内が書かれていた。