生活衝百科2

ラッパー東京未開封( Smash Egg Records)(EX ZIGOKU-RECORD)が人生というクイズに挑戦します!!!正解したら褒めてくれ。

58話No sampling

前回まで


未開封とパシリは中華料理屋に入り、大盛りの鳥そばを頼む。しかし、日本語の不自由な女性店員は、パシリのは大盛りを持ってきたが、 未開封のはなぜか普通のそばとミニサイズのそばの二つを持ってきた。「結果として得してんのかもしんねーけど、汁多すぎねーか」とごちる未開封。そんな兄にパシリは「あした、いいところに連れてってあげるムギ」と言う。


翌日、眠い目をこすりながらパシリに連れられて、ハゲ天ジムにつれていかれる未開封。年季の入った戸を開いたとき目に入った白いリングに、未開封は眩暈を覚える…。


「すげーや」を連呼しながら、あたりを見回す未開封。壁にかかった賞状。ほこりを被った金色のカップ…。パンチングボールに悪戦苦闘する未開封をムヒムヒと笑いながら見守るパシリ。


やがて、未開封は「土足じゃまじーだろ」と、靴を脱いでリングにあがる。リングサイドにもたれかかり、その広さに感動する未開封。シャドウボクシングをはじめた未開封に「アゴあがってるよー!」とアドバイスを飛ばすパシリ。見えない敵相手に、ガードを固め、フックを放つ未開封。その姿がパシリのまぶたに焼きつく。


そうこうしてるうちにウカジと天城がやってくる。汗まみれの未開封を見て、ウカジは入会希望者かと勘違いするが、パシリの保護者だとわかると月謝を要求してくる。天城は「なんならお兄さんもウチでやってみねぇか」と言うが、エースとの約束を思い出した未開封はジムを出る。


「体重90あんだぞ、そんな階級で日本人が成功するはずねぇじゃん」エースの車の中で、未開封はごちる。ボクシング経験がありながら、目が悪いためそっちの方に進まなかったエースと未開封は熱っぽくボクシングや格闘技について語り合う。「俺さぁ、曙が笑えねぇんだよねー…」


しかし、サムを探すという理由で都合よく車を使おうとする未開封に、エースは「オレはアッシーじゃねぇんだぞ」と怒る。気まずい雰囲気のままエースと分かれた未開封の携帯に父親からの電話が。


地元のステーキ屋に呼び出された未開封。父親の「就活に身が入ってないんじゃないか」と怒られる。やりたい事を改めて聞いてくる父親だが、未開封が素直に答えても、なにかと理屈をつけて否定する。「結局そうだ、曙が笑えねぇよ…俺」


母親に対する愚痴や、自分の薦めた就職を落ちたことを、自分の経験を盾に遠まわしにとやかく言ってきた上に、「そんな風だから受からない」と言い出した父親に「だからやってんだろ、殺すぞ!」と叫ぶ未開封。


同じ頃、真紅はジュンに、未開封とジュンが似ていると言う。
「きっと、夢の世界で貴方たちはつながっているわ。二人とも戦う場所が見当たらない…」


夜。ステーキ弁当を喰って幸せそうなパシリに、未開封の母親は「サムちゃんはどこに行ったのかしらね」とたずねる。
うつろな表情で部屋で一人、音楽を聴いている未開封。突然、イヤホンを投げ捨て、立ち上がり本棚にストレートを放つ。


真紅はベットで丸くなるジュンの背中を見ながら「ある種の人間は、他人の優しさに気づいてる事のほうが不幸なのかもしれないわね…」とつぶやく。


本棚の横に拳で穴をあけた未開封。「結局…いつも俺が悪役だ…」穴を見ながらつぶやく「いつだって、自分が間違ってることにされてきたよ。いつだって世間は俺を悪役にしてーんだ…」

        • I HATE WORLD----


「俺が世間に似合うよう更正される話、望んでんだろ」
未開封の脳裏によぎる「どこの編集者!」「バイトからじゃ無理!」「社会保険!」としきりに怒鳴る未開封の父親と母親の姿。

        • WORLD HATE ME----

「死…」
夜はもうすぐ明けようとしていた。