生活衝百科2

ラッパー東京未開封( Smash Egg Records)(EX ZIGOKU-RECORD)が人生というクイズに挑戦します!!!正解したら褒めてくれ。

69話 月と星⑨NIGHTMARE BEFORE VAMPIRE

夕刻の山道を急ぐ白いワゴン。その中にはシオンを含めた、数名のアジア系の外国人の姿が…。そしてワゴンは古びた屋敷の前につく。男達は工具箱片手に屋敷の前に降り立つ。柵を超え、裏庭に回り、開いていた裏戸から入る男たち。『必要なかったか…』と工具箱を見ながら呟くシオン。


屋敷の中にはいった男達の一人が呟く…『やっぱデマなんじゃねぇの?ここが死んだヤクザのボスの家で、金隠してあるって』口々にもれる不満の声。シオンは2階の窓を見上げながら呟く。『大丈夫。今日は月が綺麗。いいことある』


その時別の部屋にいた仲間がシオン達を呼んだ。部屋に入るシオン…そこには天井からつるされた金髪の女が居た。状況を飲み込めず立ち尽くすシオン達。突然、彼らの周囲にあったろうそくに火がついた。直後、彼らをゾンビの様な化け物が襲う。しかし手にした工具でゾンビをさした途端、ゾンビは彼らの仲間の姿になった。お互いがゾンビに見え、仲間同士で戦っている事に気づくシオン。しかし、ゾンビの攻撃を避けるのがやっと。叫び声。飛び散る血。阿鼻叫喚。思わず目を閉じるシオン。


やがて、ろうそくの青白い炎がシオンを照らした。部屋の中立ち尽くしたシオン。つるされた女。周囲に血だらけで地面に倒れ、悶える仲間。


助けを呼ぼうとしたシオンの前に、オールバックの男が立ちはだかる。「私の屋敷になんの用かな…?」男に言い知れぬ恐怖を感じたシオンは手にしたバールで殴りかかる。しかし、男の姿は消え、シオンは意識を失い倒れてしまう。


再びろうそくの赤い炎が、今度は腫れたシオンの顔を映す。シオンは「伯爵」と使いのメイドらしき女から呼ばれる、オールバックの男と戦わされていた。シオンは伯爵に向かって何発も突きを繰り出し、後頭部に回し蹴りを決める。が、なぜか手ごたえがない。直後青白い光を帯びた伯爵の拳に殴られ、そのまま顔を掴まれつるされるシオン。「予想以上につまらん…力のない家畜をいたぶるのがこんなにつまらんとは……不快だ」地面に叩きつけられるシオン。「喰ってよいぞ」目を細めて呟き、倒れたシオンから背を向ける伯爵。倒れたシオンに彼の仲間達が群がる。なすすべもなく首筋をかまれ、悲鳴をあげるシオン…。


昼間の中華料理屋。「パシちゃん、この餃子どう?」「ごっきげんだね!アイドル画質ムギ!」とCMの真似をして遊んでるリメルダとパシリ。そこに出前から帰ってきたバイトの黒人、レイモンドが店主に向かって、「ヤッパドコニモイネエヨ!シオンサン!」と怒鳴る。店主からシオンがずっと帰ってきてないこと、リメルダがちょっと前に二子玉川でシオンを見た事を聞き、「川の向こうムギね、探して来るムギ」と店を出るパシリ。


走りながら3日前の晩、葉月と遭遇した陸橋までやってくるパシリ。橋の上でちょっと止まるが、すぐに走りだす。途中、電柱に張ってあった「迷い犬」の写真を見て、昨晩未開封が本当に失踪したのではないかと感づき、その事で父親と母親が喧嘩をはじめた事を思い出す。「男の人ってすぐいなくなるからむつかしいムギな…」


銀色の電車と競争するように、多摩川にかかった橋を渡るパシリ。時刻はすでに夕方。デパートの前、高架下、そして住宅街…。シオンの姿は見つからない。落胆するパシリをじっと猫が見てる。「あっちいけ!パシ、猫は嫌いムギ!」思わず八つ当たりするパシリ。だが…猫が行った先…。駐車場の中で立ち尽くしているシオンの姿をパシリは見る。声をかけるパシリに気を向ける様子もなく、歩き出してしまうシオン。


追いかけていったパシリは、シオンがピッキングしてマルミ堂という古びた店に不法侵入していくのを見る…。