生活衝百科2

ラッパー東京未開封( Smash Egg Records)(EX ZIGOKU-RECORD)が人生というクイズに挑戦します!!!正解したら褒めてくれ。

43話 怒りの人生

未開封は独り、廃墟に立っていた。そこにピンク色の髪をした少女が現れ「ここはとても普通な場所なの…」と言う。なにが普通だバカヤローと駆け出した未開封だが、何処まで行っても廃墟は終わらず、声をあげても誰もいない。そのうち、未開封の胸中に奇妙な予感がよぎる…この廃墟は自分が創り出したものではないか、と。


「ここは普通の場所なの」「俺が、普通の事やったらこうなるっていうんか!!ダレもいねぇ、何もねぇ世の中が生まれるってぇのか!!」叫ぶ未開封に男の声が聞こえる…「そう、それこそが本質なのだ!」―――崩れていく廃墟の中、「この聖都は、まさに君の求める、どんなものにも左右されない人の本質が生み出したものだ」「ひとりぼっちじゃねぇか…こんな孤独な世界……」


声に向かって、鉄パイプを振り下ろす未開封。「それでいい…」という声と供に当たりは真っ暗になる。「あなたはここに来ては駄目…」少女に言われる未開封。「それでも行かなきゃならねぇ…後がねぇんじゃ後が…!」


次に少女の顔を見たとき、少女はパシリになっていた。元の世界に帰ってきたらしい。訝しがるニ匹に向かって、「ちと、ZONE*1見えた」という未開封。


秋の夕焼けが暮れだした。1人と2匹の影が長く伸びる。
「なぁ、二人とも…俺が家を出て、今より下の暮らしする事になってもついてくるか?」
「たりめーじゃん」
「ぬいぐるみは、金かかんねーしな…」


―――セックスピストルズとパンクロックが現れるまで、ロックはテクニックと派手さばかりを求めて、路上の現実を唄おうとはしなかった。


―――パブリックエネミー達、ラップをメッセージを伝える手段として精練して来たイースト・コーストのラッパー達が現れなければ、HIPHOPはパーティミュージック以上にはなりえなかった。


―――俺はそんな風に、2次創作を変えれるのか?


頭の中で長渕が「ファイティング・ポーズ」を唄っていた。
未開封は、「今、そんな歌唄うんじゃねぇや…」とつぶやいた。

第2部完

*1:スポーツ選手等が極度の緊張の高まりの中で体験する神がかり的状態を意味する言葉。なんとかの神が降りたみたいな状態。アイドルじゃねぇ