16話 アイドル秘肉狩り③〜ラスト・ブロウ〜

マイクジャックを思いつきながらも、今だそのことに奇妙な罪悪感を抱いている未開封。しかし、既に件のライブは2日前に迫っていた。そんな中、地元で小学校の同窓会に参加する未開封。就職を決め、恋人までいる同級生を見た未開封は思わず「死にたい…」とこぼす。深夜、酔っ払って道路の真ん中を歩く未開封を、同級生のヨッチンが不安げに寄り添う。家に帰った未開封。

テレビをつけると、猟銃で自殺したロックスター礼司の妻、マリアがインタビューを受けていた。「誰かが生きているという事は、誰かが死んでいるということ。だれかを犠牲にするのは自然なことじゃない…」

その言葉を聞いた未開封は、自慰をはじめ、「後が無いんじゃ、後が…!」と呟く。

テレビにはやがて砂嵐が走り、窓から朝日を見た未開封はその場で飛び跳ね、下で寝ていた母親に怒られる。謝りながらも、「ギャーギャーわめくことかよ…」と呟いた未開封の脳裏で繰り返される先ほどのマリアの言葉と、同窓会で同席した教師の「昇降口で貴方は、よくワガママを言って泣いていた」という言葉。

「後が無いんじゃ、後が…」朝焼けの中、再び未開封は呟く。